株式会社フクエイホーム
2026年02月21日
日々の出来事
受話器越しの怒声と、カウンターの上のケーキ
「お湯が出ない!」「隣の部屋がうるさい!」
不動産屋の電話は、入居者様からのお叱りの言葉で鳴り響くこともしばしば。私たちは、そんな「暮らしの困りごと」を一身に受け止めるサンドバッグのような存在かもしれません。
「プルルルル……」
不動産屋のデスクで鳴る電話の音は、時として時限爆弾のカウントダウンのように聞こえることがあります。特に真夏や真冬のそれは、トラブルの予兆であることが多いからです。
ある猛暑の日、受話器を取った瞬間に耳をつんざくような怒鳴り声が響きました。「おい!エアコンが全然効かないぞ!熱中症になったらどうしてくれるんだ!」
姿が見えない分、受話器の向こうのお客様がどんな表情をしているのか想像してしまい、恐怖は倍増します。「申し訳ございません!」と必死に謝りながら、最短で向かえる修理業者さんを手配し、その場はなんとか収まりました。
数日後、オフィスのドアが開き、一人の男性が入ってきました。名前を聞いて、スタッフ全員が「あの時の……!」と身構えたその時です。
「いやあ、あの時は電話で怒鳴っちゃって悪かったね。おかげですぐ涼しくなったよ。これ、皆さんで」
男性はバツが悪そうに頭をかきながら、カウンターに有名店のケーキの箱を置いてくれました。
受話器越しの「鬼のような声」と、目の前の「穏やかな笑顔」。このギャップに触れられる瞬間こそが、電話対応で擦り減った心を癒やす一番の特効薬なのかもしれません。
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