「この家を売ることに決めました」——70代のお客様が教えてくれたこと
今回は、売却のご相談でお会いした70代のお客様のことを書いてみます。
最初の一言は、「実は迷ってるんです」
ご来店されたのは、ご夫婦お二人でした。 お子さんたちはすでに独立していて、今は2人で40年以上暮らしてきた 一戸建てに住んでいるとのこと。ご主人が足を悪くされたことをきっかけに、 駅に近いバリアフリーのマンションへの住み替えを検討し始めたそうです。
でも、最初におっしゃったのは「実は、まだ迷ってるんです」という言葉でした。 売りたい気持ちはある。でも、長年暮らしてきた家を手放すことへの ためらいも、正直あると。
話を聞くだけの時間が、必要だった
その日はすぐに査定の話に入らず、まずいろいろと聞かせていただきました。 お子さんが生まれたときのこと、庭の木を一緒に植えたこと、 近所の方との長いお付き合いのこと——。 気づけば1時間以上、家の話というより「暮らしの話」を聞いていました。
「こんなに話を聞いてもらったのは初めてかもしれない」と奥様がおっしゃって、 少し照れくさいような、でもうれしいような気持ちになりました。
売却は、暮らしの整理でもある
その後、数回に分けてお話を重ねて、最終的に売却のご決断をいただきました。 査定額や手続きのご説明はもちろんしましたが、 「次の家でも新しい暮らしを楽しんでほしい」という気持ちで マンション探しもお手伝いすることになりました。
高齢になってからの住み替えって、体の変化やお金のこと、 家族との相談など、考えることが本当にたくさんあります。 今回の経験を通じて、不動産の手続きをお手伝いするだけじゃなく、 その方の暮らしの節目に寄り添うことも、 この仕事の大切な部分なんだと改めて感じました。
引き渡しの日、「いい家に出会えてよかった」という言葉を いただいたときは、この仕事をやっていてよかったと思いました。
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