賃貸仲介の閑散期を乗り切るには? 繁忙期以外でも入居者を集める空室対策
賃貸仲介に詳しくない方でも、「春は引越しが多い」というイメージはあると思います。
実際に、1〜3月は新入学・新入社・人事異動が重なるため、年間で最も問い合わせが集中する繁忙期です。
賃貸仲介の繁忙期・閑散期はいつ?
●1〜3月|春の繁忙期(最盛期)
新生活に向けた引越し需要が爆発。成約件数・問い合わせ数ともに年間最高水準。物件選びは「スピード勝負」になる。
●4〜5月|繁忙期の余波
優良物件はほぼ埋まっており、GW明けから一気に市場が落ち着く。
●6〜8月|夏の閑散期
梅雨・猛暑で引越し需要がさらに低下。入居検討者数は年間最低水準。空室が長期化しやすい時期。
●9〜10月|秋の繁忙期
企業の秋の人事異動に伴うファミリー層の転居需要が増加。春ほどではないが、仲介会社にとって重要な第二の山。
●11〜12月|年末の閑散期
入居者を探しにくいが、12月下旬から翌年の繁忙期に向けた物件情報が出始める。先手を打つ大家さんは年末から動いている。
このサイクルの中で、特に6〜8月の夏場が「空室が埋まらない」と頭を抱える不動産オーナー様が最も多い時期です。
閑散期にも部屋を探している人はいる
「閑散期は需要がない」と思われがちですが、一定数の入居希望者は通年動いています。
むしろ、あえて閑散期を選んで引越す方も少なくありません。
理由は明快です。
・家賃や礼金の値引き交渉が通りやすい
・引越し料金が繁忙期の1.5〜2倍安くなる
・ライバルが少なく、じっくり物件を比較できる
・仲介スタッフに時間をかけてもらいやすい
転居理由は人それぞれです。
「職場の近くに引越したい」「家賃を見直したい」「同居・別居など事情が変わった」など、春まで待てない方は通年存在します。
繁忙期だけに力を注いでいると、こうした層を逃し続けることになります。
2026年の賃貸市場で押さえたい3つの変化
今の市場には、数年前とは異なる動きが出ています。空室対策を考えるうえで、以下の3点は特に把握しておきたいポイントです。
① 家賃は上昇、既存物件の競争は激化
SUUMOリサーチセンターの調査によると、2023年度の首都圏の平均家賃は92,493円と、
2005年度以降で最高額を記録しました。
一方で、建築費の高騰を背景に新築物件の着工戸数は減少傾向にあります。結果として、既存物件どうしの競争が年々厳しくなっています。
「古い設備のまま放置」では、閑散期はおろか繁忙期にも苦戦する時代になっています。
② 内見なしで申し込む入居者が急増
イタンジの2025年調査では、都内で引越しした人の60%以上が内見なしで入居申し込みをしており、この割合は2年間で1.4倍に増加しています。
これは、物件のオンライン情報(写真・動画・間取り図の精度)が成約を大きく左右することを意味します。
閑散期に限らず、掲載情報の質を上げることは今や空室対策の基本です。
③ 持ち家を諦めたファミリー層が賃貸に流入
住宅価格の高騰と金利上昇の影響で、本来は持ち家を検討していたファミリー層が賃貸に留まるケースが増えています。
これは閑散期のターゲット層が広がっていることを意味しており、仲介側にとっては新たなアプローチの機会です。
閑散期は「次の繁忙期への準備期間」として使う
閑散期を「暇な時期」として過ごすのと、「準備期間」として動くのでは、次の繁忙期の結果に大きな差が生まれます。
■ 閑散期にやっておくべきこと
・設備・内装の見直し
繁忙期は業者も多忙で工事を組みにくい。リフォームは閑散期のうちに済ませる。
・物件情報の更新
写真・間取り図・動画を最新の状態に整え、内見なし申し込みにも対応できる情報量を確保する。
・ライバル物件のリサーチ
周辺の成約物件の家賃・条件を確認し、自物件の募集条件を見直す。
・入居条件の緩和検討
礼金ゼロ、ペット可、外国人歓迎など、間口を広げることで問い合わせ数が増える場合がある。
■ 家賃の値下げは「最終手段」
家賃をいったん下げると、元の水準に戻すのは非常に困難です。
また、値下げを知った既存入居者から不満が出たり、退去につながるリスクもあります。
設備の改善・条件の工夫・情報発信の強化で差別化を図り、値下げはどうしても必要な場合の最終手段と考えましょう。
まとめ
賃貸仲介の閑散期は、たしかに入居希望者が少なくなる時期です。
しかし「閑散期にしか動けない事情を抱えた方」は確実に存在しており、その方々にしっかりアプローチできるかどうかが、年間の空室率に直結します。
2026年の賃貸市場は、家賃上昇・既存物件の競争激化・入居者ニーズの多様化という
3つの変化の中にあります。
Z世代・外国人・ファミリー層それぞれのニーズを理解し、閑散期を「次の繁忙期への準備期間」として活用することが、空室対策の鍵です。
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