空き家問題の具体的な解決方法を教えます②「空き家の所有者が亡くなっている場合」など
昨今、全国の住宅総数が増加している一方で、各地で空き家の発生が著しく、さらに追い打ちをかけるように人口減少社会を背景に、空き家の数は年々増加しています。
空き家によって引き起こされる問題は様々あり、空き家の件数増加に伴ってトラブルも増加しています。
2回目の今回も、空き家のドラブル事例を少しずつご紹介していきます。
空き家相談4『管理が不完全な空き家について』
■相談内容
管理不完全な空き家について、地元の自治会から所有者へ適切な管理を何度もお願いしているが、金銭的な問題からか放置しています。
現在はブルーシートで覆うなどの一時的な措置がされていますが、今後はどうしたらいいでしょうか。
■解決方法
道路法や空き家対策特別措置法などで対応するのが良いですが、それぞれの問題に関して、専門家に相談するなどの方法で改善される場合があります。
まずは市役所等に相談してみましょう。
壁面が崩壊する等で被害を受ける恐れがある隣の家の所有者から、妨害予防請求をすることが可能です。
もし実際に損害が発生した場合の損害額などを事例を挙げてしっかり所有者に伝えましょう。
空き家相談5『空き家の所有者が亡くなっている』
■相談内容
倒壊の恐れがある建物の名義人は亡くなっており、相続人は市外に住んでいるようです。
早急に会って危険なのですが、相続人の住所がわからずに会えません。
どんな解決方法があります
■解決方法
損害を受ける恐れのある近隣の住民であれば、戸籍法第10条の2第1項の規定により相続人の住所を調査することが可能です。
それでも相手先が行方不明の場合は、不在者財産管理人の選任や妨害排除請求権が与えられますが、裁判費用がかかります。
正直お金を出してそこまでするのは考えにくいので、現実的な解決方法ではないかもしれませんが、そこも含めて必ず事前に専門家に相談しましょう。
空き家相談6『空き家の相続人が全員相続放棄した場合』
■相談内容
建物の所有者が亡くなった後に、相続人が全員が相続放棄しています。
相続放棄人の中には、自力で解体を考えているが、土地所有者からの異議申し立てを恐れて躊躇しています。
この場合は建物の解体は可能ですか。
■解決方法
放棄していても管理責任はあるので解体しても良いと思います。
土地を地主さんから借りている場合、相続放棄しても賃貸借契約は存続しますので、今後その契約をどうするのか地主さんと話し合いが必要です。
解体前に地主さんと話し合い、解体・賃貸借契約の解除の同意を得たほうが良いです。
今回ご紹介した内容は、あくまでも参考にとどめていただき、実際に行う際には、司法書士や弁護士などの専門家に相談して下さい。
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