借地や賃貸マンションは「いらない資産」になりうる? ~親も子も避けたくなる不動産、その理由と対策~
不動産は「資産」と見なされがちですが、近年は親も子も相続をためらうケースが増えています。
特に問題になりやすいのが、借地(借地権付き土地)と多額の借入れが残っている賃貸マンション・アパートです。ではなぜ敬遠されるのでしょうか?
なぜ借地は嫌がられるのか?
借地契約では、地主が一方的に契約を解除したり更新を拒否したりすることが簡単ではありません。
旧借地権の契約では借地人が地代を数年滞納でもしない限り、地主から解約することはほぼ不可能です。
地主が更新を拒むには「正当事由」が必要です。しかも、この「正当事由」が裁判で認められるケースは極めて稀で、ほとんどの場合は地主側が負けます。
借地は当事者間の長年の合意や慣行に依存することが多く、代替わりで事情がわからなくなるとトラブルになりやすい点も特徴です。
地代の見直しや契約条件をめぐる争いが発生すると、時間も費用もかかります。土地活用としては効率が悪く、人間関係のトラブルも起こりやすいため、子世代が相続したくない不動産の筆頭といえるでしょう。
◆親ができる対策
もし親が借地を多く持っている場合は、相続が発生する前に
・借地人に底地権を買い取ってもらう
・借地権を買い取る
・底地権と借地権をセットで第三者に売却する
など、借地契約を整理しておくことが子どもの負担を減らす有効な方法です。
借金が残ったマンション・アパートも敬遠される
子どもが相続をためらうのが多額の借入が残った賃貸マンション・アパートです。かつては、貸せば入居者が入る、設備老朽化も緩やか、という時代がありました。しかし現在は、次のような環境変化があります。
・管理・維持コスト・労力の増加
かつては、貸せば入居者が入る、設備老朽化も緩やか、という時代がありました。しかし現在は、次のような環境変化があります
・空き室リスクの上昇
人口減少・少子高齢化が進むなか、特に地方や郊外では賃貸需要が縮小傾向にあります。空室対策にかかる広告費・改装費・賃料下落の対応が重荷になります。
・修繕・リノベーションの負担
築年数が進むと、給排水管、外壁、電気設備などの修繕費が膨らみやすい。これはオーナー自身がチェックしておかないと、想定外の支出を強いられがちです。
・法制度・安全基準の強化
耐震基準・防火基準・バリアフリー対応など、基準が見直されることもあります。改修義務や追加対応を求められる可能性が増しています。
遠方に住む子どもや、別の仕事を持つ子どもが相続すると、よほどやる気がない限りは厳しいのが現実です。親から相続したマンションを、自分の代で売却して整理する人も少なくありません。
放置は最大のリスク。早めの「整理」と「共有」が安心に
借地や多額借入の残った賃貸物件は、権利関係・契約内容・市場環境の変化によって相続後に大きな負担になる可能性があります。
親が元気なうちに権利関係を整理し、子に運用の実情を伝え、必要なら信託や売却などの選択肢を実行しておくことが、家族全員の安心につながります。
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