内覧で起きた小さな「一目惚れ」事件
午後の内覧。案内する物件は築20年ほどの2LDK、広めのリビングが魅力です。
お客様は30代ご夫婦と、好奇心旺盛な3歳の男の子。
「よろしくお願いします。子どもが走り回るので気を使うかもしれませんが…」
「大丈夫ですよ〜。気に入っていただけると嬉しいです!」
玄関を開けると、すぐに奥さまがキッチンへ駆け寄りました。
「わぁ、作業スペースが広い!子どもが食べこぼしても大丈夫そう」
旦那さんは窓際で日差しを確認している様子。男の子はというと、勝手にスリッパを履いて探検モード。
リビングに入った瞬間、男の子が床の小さな段差でつまずきかけ、持ってきたぬいぐるみを「こっちだよ!」と指差しました。
ふと見ると、窓の外に小さな公園が見えます。
向かいの家のベランダで洗濯物を干すおばあちゃんが手を振り、男の子が満面の笑みで手を振り返します。
「ここ、子どもが外で遊んでいる様子が見えて安心ですね」奥さまがつぶやきました。
その一言で、家の間取りや設備だけでなく「日常の景色」が家選びでどれだけ大切かを改めて感じます。
内覧の終盤、旦那さんがスマホを取り出して窓際の幅を測り始めました。どうやらダイニングテーブルを入れたい様子。
私もメジャーを渡して一緒に測ります。数値を見比べながら、配置案をちょっとアドバイス。
「そうすると、ソファはここ、テレビはあっち向きですね。夕方の光はここから差し込むので、観葉植物も置けますよ」
「想像しやすいですね。住んでる自分がすぐに浮かびます」旦那さんの言葉に嬉しくなりました。
帰りがけ、男の子が「またこのおうち見たい!」と小さな声で言ってくれました。その一言を聞いた奥さまがにっこり。
「この家、子どもにも好かれたね」と。
契約や条件の話ももちろん大事ですが、内覧で一番覚えて帰っていただきたいのは「ここでどんな時間を過ごせるか」ということだと、改めて実感した一日でした。
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