賃貸物件の入居者が認知症を発症した場合
賃貸物件を借りている入居者が認知症になってしまうと、トラブルに発展する可能性があります。
最近では高齢者の賃貸物件に入居するのが難しくなっている一つの要因でもあります。
では賃貸物件の入居者が認知症になった場合に考えられるトラブルや、その防止の対応について考えてみます。
未然に防ぐ為の対策も合わせて考えてみましょう。
賃貸入居者が認知症になった時に起こるトラブル
まず入居者が認知症になった場合、記憶障害の影響で家賃が滞納する可能性があります。
家賃滞納が発生しても、即退去してもらうことはできないので、家賃収入が減ることになってしまいます。
他の症状として自分の身の回りの世話ができなくなると、部屋にゴミがたまる恐れがあり、異臭が発生して他の入居者からのクレームにもつながってしまいます。
火災保険に加入していても、認知症の方は心神喪失とみなされ、保証の対象外となる可能性があります。
マンションで認知症になった入居者がいました
以前、当社が管理している賃貸マンションに高齢の女性の方が住んでいました。
入居してから5年くらいは何もなかったのですが、その後ほかの入居者から、部屋から昼夜かまわず叫び声が聞こえるとの連絡がありました。
お部屋を訪問してみると、室内はごみが散乱しており、会話もうまく交わせない状況でした。
地域の民生委員と連携し、親族の方とも話をして、最終的には施設に移っていただくことになりました。
賃貸物件での認知症の入居者との契約について
入居してから、認知症になってしまってもすぐに契約解除や退去を迫るのは難しいです。
特に初期の認知症ですと日常生活に不便が生じないので、この段階で退去を促すことはできません。
しかし、症状が進んでしまうと、本人と意思疎通ができずに契約解除自体ができなくなってしまいます。
症状を発症したことがわかった場合は早急に親族に連絡をとり、賃貸借契約の見直しや解除について話し合うとことが大切です。
賃貸入居者で認知症になったときのトラブル防止策
まずは契約時に身内の方に連帯保証人になってもらうことです。
そうすれば何かあった場合に、契約や今後のことについて責任をもって対応してくれると思われます。
また、高齢の方が入居する場合に見守りサービスに加入してもらうのも一つの方法です。
まとめ
賃貸物件の入居者が認知症になってしまった場合、お部屋でトラブルが発生し賃貸借契約の継続が困難になる事が多いです。
高齢の方を入居させるときには、親族や連帯保証人と連絡が可能かどうかなどを確認するなど、事前に対策が必要です。
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