土地と建物の持ち主が違う空き家…どうすればいい?
空き家の相談の中でも意外と多いのが、「土地と建物の持ち主が違う」というケースです。
たとえば、
・土地は親の名義、建物は子どもの名義
・土地は借地、建物は元の借主が建てたまま放置
といった状態です。
こうした空き家は、老朽化や近隣トラブルの火種になりやすく、誰が責任を持つのかがあいまいになりがちです。
1. 土地と建物が別々の名義でも、どちらも「空き家」として扱われます
空き家対策特別措置法では「建物だけでなく、その敷地も含めて空き家」とされています。そのため、行政からの「助言」「指導」などは、建物の持ち主だけでなく、土地の所有者にも届くことがあります。
ただし、いきなり強制されるわけではなく、まずは話し合いや協力を求める形が基本です。
2. 建物を壊したいけど、土地の所有者が違う場合は?
土地の持ち主でも、勝手に建物を壊すことはできません。建物の所有者と協議して進める必要があります。
もし建物の持ち主が不明・音信不通の場合は、市町村が「助言・指導」→「勧告」→「命令」→「代執行」という流れで動ける制度があります。
また、令和5年からは「所有者不明土地・建物管理制度」という新しい仕組みも始まり、裁判所を通じて管理人を選び、代わりに建物の管理を行うことも可能になりました。
3. 相続人が多い場合は「代表者」を決めるのが大切
空き家を相続しても、名義変更をしていないまま「兄弟で共有」というケースも多く見られます。この場合、行政からの通知は全員に届くため、話がまとまらず時間がかかることがあります。
相続人の中で代表者を決めたり、相続登記をして名義を一本化しておくと、今後の管理や売却がスムーズになります。
※令和6年(2024年)4月からは、相続登記が義務化されています。放置すると罰則の対象になることもあるので注意が必要です。
4. 空き家の庭木・竹・雑草は誰のもの?
空き家の敷地にある木や竹は、原則として「土地の所有者」のものになります。ただし、建物の持ち主が植えたものであれば、その人の所有とみなされる場合もあります。
また、枝が隣地に伸びて迷惑をかけているときは、法改正により「相手が切らない場合は、自分で切ること」も条件付きで認められるようになりました。
放っておくと「特定空き家」に認定され、固定資産税の軽減が外れるケースもあるため、
早めの対応が安心です。
5. まずは「関係者で話し合うこと」から
土地と建物の所有者が違う場合、最初から行政や裁判に頼るより、関係者同士で話し合い、合意を作ることが一番の近道です。
・解体や修繕の費用をどう負担するか
・管理や清掃をどちらが行うか
・将来的にどう活用するか
これらを文書で取り決めておくと、トラブル防止につながります。
まとめ
・土地と建物の名義が違っても、どちらも「空き家」の対象
・行政は「助言→指導→勧告→命令→代執行」と段階的に対応
・所有者不明や相続放置は、早めに専門家へ相談
・庭木の越境なども空き家の一部として指導の対象になる
福岡市や春日市・大野城市などでも、「空き家相談窓口」や「専門家相談会」が設けられています。
困ったときは、一人で抱えず、まず相談してみましょう。
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