賃貸借契約前の預り金は原則禁止されています
賃貸物件でお部屋の入居のお申し込みをする際に、不動産会社から「預り金」「申込金」「手付金」などの名目で支払いを求めてくる場合がありますか?
福岡県では不動産会社が「預り金」を受領することは原則的に禁止されています。
いまだに預り金の返金に関するトラブルが絶えない
「預り金」などは、お部屋を借りる方がお部屋を他の人に紹介されないように物件を抑えておく「仮押さえ」という意味と、不動産会社が簡単にキャンセルされることを防ぐ為の意味で預かっていると思われます。
賃貸住宅の入居申し込み時に、お客様から
「キャンセルしたのに申込金を返してもらえない」
など、賃貸借契約の成立前にキャンセルしたのもかかわらず、申込金など預り金が返金されないといったトラブルが、特に賃貸シーズンになると増えているそうです。
賃貸の申し込み時の預り金・申込金はキャンセルすれば返金されます
大前提として、「宅地建物取引業法 第47条の2に基づく国土交通省令で定める具体的な禁止事項」の中に、
「宅地建物取引業者(不動産会社)の相手方が契約の申込みの撤回を行うに際し、既に受領した預り金を返還することを拒むこと」
は禁止事項と明記されています。
賃貸借契約前であれば、基本的に申込みをキャンセルした場合、預り金等の不動産会社に支払ったお金は全額返金されます。
返金しなかった不動産会社は法令違反となります。
福岡県では預り金の受領は原則禁止です
それでもこうした返金に関するトラブルが絶えないので、
福岡県では預り金等の受領を原則禁止としています。
(福岡県 建築指導課 宅建係より「居住用建物の賃借の媒介又は代理に際し、預り金の授受を原則禁止」とする旨の通達)
ただし、例外的にお部屋を借りる方が物件を特定し、かつ物件確保のために預り金の預け入れを了承した場合で、重要事項説明書とあわせて次の3つの項目を記載した書面を交付した時に限り受領できるとしています。
1,当該預り金は物件確保を目的とするものであること
2,物件確保の有効期限を記載すること
3,預り金は契約の成立・不成立にかかわらず一旦借受予定者に返還されるものであること
賃貸借契約のキャンセル料は返金されないのか
また、「預り金」として預かるのではなくて「キャンセル料」として請求されたという相談も増えておりますが、契約成立前であれば同様の考え方になりますので、不動産業者はお客様に請求・徴収はできません。
ただし、賃貸借契約成立後のキャンセルは「解約」となりますので契約書の条項によって処理されることになります、十分に注意してください。
ちなみに弊社フクエイホームは、賃貸の申込時に「預り金」は一切受け取っておりません。
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