福岡の賃貸トレンドを追う、1LDKなのに寝室が3畳!?
最近、福岡市内を車で走っていると「またここにも新しいマンションが!」と感じることが増えました。
博多区、中央区はもちろん、南区や早良区あたりでも、ちょっとした空き地に鉄筋コンクリートの賃貸マンションが次々と建っています。
ここ数年で一気に進んだこの賃貸ラッシュ。その多くが1LDKタイプの間取りで、外観もスタイリッシュ。
エントランスはオートロック付き、宅配ボックス完備と、若い単身者やカップルをターゲットにした設計が目立ちます。
コンパクト設計が生まれる背景とは
ところが、間取りをよく見てみると少し違和感があるんです。「1LDK」とはいえ、寝室部分が3畳ほどしかない。
ベッドを置いたらいっぱいで、ほとんど“寝るためだけの部屋”という感じです。一方で、リビングは10畳近く取ってあり、キッチンも対面式。
全体の面積は30㎡前後とコンパクトながら、リビング空間に力を入れた“見栄え重視”の設計が多く見られます。
なぜ「小さな寝室+広めのLDK」が増えているのか
理由の一つは、やはり建築コストの高騰です。
資材や人件費の値上がりで、以前のように40㎡台の1LDKを建てると採算が合わなくなってきました。
そこで、「30㎡台でも1LDK」として商品価値を持たせるため、寝室をコンパクトにした間取りが選ばれるようになったのです。
もう一つの理由は、入居者のライフスタイルの変化です。
最近の若い世代は、「寝室よりリビングを快適にしたい」「デザイン性のある空間で過ごしたい」という傾向が強くなっています。
ベッドとスマホがあれば十分という人も多く、寝室を小さくすることへの抵抗はあまりありません。
また、在宅勤務が減り、部屋で仕事をする時間が減ったことも関係しています。家はくつろぐ場所という意識が高まる中で、リビングでテレビを見たり、友人を呼んだりできる空間が重視されるようになっているのです。
オーナー様にとっての注意点も
だし、オーナー様の立場から見ると、こうした極端な間取りにはリスクもあります。確かに立地やデザインで人気を集めやすい反面、入居者の定着率が短くなりやすい傾向も。
実際に住んでみると、「収納が少ない」「家具が置きにくい」と感じる人も多いのです。
長期的に安定経営を考えるなら、見た目の良さだけでなく、使い勝手や暮らしやすさも重視したいところです。
例えば、3畳の寝室でもウォークインクローゼットを設ける、LDKの形を工夫して家具配置をしやすくするなど、小さな工夫で入居満足度はぐっと高まります。
これからの賃貸経営に求められる視点
今の福岡の賃貸市場は、明らかに「供給過多」の兆しも見え始めています。どの物件も新しく、きれいで、設備も充実しています。
その中で入居者に選ばれる物件になるためには、“ターゲットを明確にする”ことが何より大切です。
・単身者なのか、カップルなのか。
・社会人か、学生か。
ターゲットに合わせて間取りや設備を見直すことで、長く住んでもらえる息の長い物件になります。
街に増える1LDKマンションを眺めながら、福岡の賃貸市場もいよいよ質の競争の時代に入ったと感じます。
これから建築を検討されるオーナー様は、ぜひ一度「広さ」ではなく「暮らし方」から間取りを考えてみてはいかがでしょうか。
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