知っておきたい!住宅のリースバック契約する際に注意する7つのポイント
以前のブログでリースバック契約と実際にあったトラブルについて紹介しました。
住宅のリースバックは多様なライフスタイルの実現や既存の住宅流通市場の活性化、空き家の発生防止につながるものとして期待されています。
しかし、契約内容や将来の収支計画について、お客様の理解が不十分なままリースバック契約を締結した後にトラブルになることもあります。
このリースバックに関連して、高齢者の自宅売却に関するトラブル(いわゆる「押し買い」)については国会においても問題として取り上げられています。
リースバック契約をする際には以下のことに十分注意して契約をしてください。
1.不動産業者・金融機関など複数の業者に相談して、自分に合った条件・手法を選びましょう
自宅に住みながら資金を確保したい場合は、リースバックではなく、
「通常の売却を選んで、決済・引渡し時期を業者と調整する方法」
「融資(リバースモーゲージ)」
等の方法が自分のライフプランに合っている場合があります。
また、各リースバック業者によっては提示される契約条件は様々です。
不動産業者や金融機関など複数の業者に相談して、自分が納得できる条件・手法を選びましょう。
2.契約を急かす営業トークを鵜呑みにせず、落ち着いた後に家族に相談して決めると伝えましょう
業者によっては、しつこく勧誘をしたり、売却を煽るようなセールスをしたりする場合がありますが、それに合わせることなく、契約を決める前に、落ち着いて色々確認してみましょう。
リースバックでは、家を売却する「不動産売買契約」を結ぶことになります。
宅地建物取引業法に基づくクーリング・オフは宅建業者への売却は適用されず、また違約金が設定されているケースも多々あり、解約に多額のお金がかかることもあります。
サインや押印を書類に求められても、安易の応じず、家族・親族などと相談の上で、しっかり契約内容を理解してから対応しましょう。
例えばマンションに住んでいる場合、マンションの建て替え計画の事実は管理組合に聞くことで確認できます。
また、相場などは複数の不動産業者に確認することも可能です。
その他、契約したら必ず、売買契約書をもらい、契約条件をしっかりと確認できるようにしておきましょう。
3.住み続ける期間は、毎月家賃が支払うことができるか一度計算しましょう
リースバックは、「毎月家賃を支払うことで」住み続けられる契約です。
最初に一括で資金を受け取ることができますが、受け取った資金から毎月の家賃を支払い続ける場合、いずれ底をついたり、途中で家賃が値上げされて資金が不足したりする可能性も考えられます。
契約をする前に、「売却で受け取る金額」と「数年かけて家賃として支払う金額」、どちらが高いか自分で計算して比較しましょう。
ちゃんと手元に残るお金はありますか?
価格・家賃などの条件は、納得できるまで契約する前に業者と話し合いましょう。
4.提示されている売却価格について他の業者にも聞いてみましょう
不動産には、地域や築年数によって左右される「相場」があります。
売却価格を提示された場合、この相場から大きく外れていないか、業者にその価格の根拠や相場について意見を聞いてみましょう。
通常の売却を選んで、自宅の引渡し時期を一定期間待つことを契約条件にすることもできるため、他の不動産業者からも相場に関する意見を聞いて、売却価格が納得できる価格をどうか検討しましょう。
5.買戻しは「当然の権利」ではありません。契約前にきちんと条件を確認しましょう
買戻しは「当然の権利」ではなく、あくまで、一度買った業者が、条件次第で、「もう一度自分に家を売る」という約束事です。
買戻しを望むなら、「いつまでに」「いくらで」買い戻せるのかなど、本当に買い戻せるのか契約前に確認しましょう。
口約束ではなく契約書に具体的な条件が記載されていることを確認し、また買戻し価格は自分が払える金額かなどを冷静に検討しましょう。
6.自分が望む期間は本当に住み続けられるのか記載を確認しましょう
賃貸借契約書には、「普通借家契約」や「定期借家契約」などの種類があります。
借主が契約の継続を希望しても、貸主が更新に応じなくても良いものが「定期借家契約」です。
つまり、契約の種類によっては、希望する期間住み続けられないかもしれません。
契約を結ぶ前に契約の種類や契約期間、契約更新、再契約の条件などについてしっかりを説明を求め、自分の要望も伝えつつ、契約書の記載内容を確認しましょう。
また、条件次第では、業者が第三者に住宅を売却してしまうことがあり、貸主が売却先の業者でなくなる場合もあります。
7.リースバック期間中に設備が故障したら誰が直すのか確認しておきましょう
リースバックをすると、今まで通り「住む」ことができますが、それは今まで通り「自由に使える」わけではありません。
設備が壊れたら自分と業者のどちらが修繕費を払って直すのか、また新たに設備を設置してよいのか等を契約前に確認しておきましょう。
また、賃貸借契約と同様に、退去時の原状回復に費用が発生する場合もあるほか、リースバック期間中に亡くなった場合に、家族・親族などが相続によって賃貸借契約上の責任(原状回復等)を負う場合もあるので、この点も気をつけましょう。
以上、リースバック契約で注意するポイントを7つ挙げました。
契約内容や条件に留意して、ご自分が納得がいく住宅のリースバック契約を結んでください。
関連した記事を読む
- 2024/11/05
- 2024/11/01
- 2024/10/28
- 2024/10/24
お客様に対して、不動産に関する複雑な内容でも、少しでも分かりやすくご説明できるよう日々努めております。