「住宅ローン」の名目で不動産投資用の物件を購入、何が問題なのか?(前編)
不動産を購入する際には、ほとんどの方が金融機関からお金を借りて購入します。
そこで今回は不動産投資に関する融資で、問題になったケースついて例をあげてご紹介します。
不動産セミナーで不動産投資物件の購入の方法を聞く
不動産投資初心者のYさんは、ある日不動産投資コンサルタントのセミナーに参加しました。
その不動産コンサルタントはセミナー中で
「最近は不動産投資のローン審査が通りにくくなっている」
「しかし、住宅ローンは不動産投資のローンと比べて通りやすいから、不動産投資にも住宅ローンを利用すべきだ」
などと話していました。
さらに不動産コンサルタントは
「住宅ローンを利用するメリットは審査の通りやすさだけではない」
「住宅ローンは不動産投資のローンより金利が安いので利回りが良くなる」
「不動産投資に住宅ローンを利用するのはメリットしかない」
とも熱弁を振るいました。
それを聞いたYさんは、住宅ローンを利用して不動産投資物件を購入しようと思い、状況をよく理解しないままに不動産コンサルタントと契約をしてしまいました。
不動産コンサルタントと契約をしてしまう
その契約は、契約時に数十万円、住宅ローン審査が通った段階で数十万円を支払う内容です。
不動産コンサルタントはあくまでアドバイザー的な立場であって、代理行為はしないということでした。
そのため金融機関との間の契約は、すべてYさん自身でやらなければなりませんでした。
一方で住宅ローンの中でも、低所得や自営業者でも審査が通りやすい商品や、住宅ローンが通りやすくなるための書面の準備といったことをその不動産コンサルタントは手取り足取り教えてくれました。
Yさんが不動産コンサルタントの言う通りにA銀行に商品の申込みをきちんと書類を揃えたところ、無事に住宅ローンの審査は通りました。
その後、Yさんが購入した投資物件の入居者も決まり無事に賃料が入ってきました。
とつぜん銀行から通知書がくる
ところが3ヶ月後、A銀行から1通の通知書がYさんに届きました。
Yさんが不動産投資目的で住宅ローンを利用したことが発覚したため、住宅ローンの残金を一括で請求するという内容の通知書でした。
その通知書が見てYさんは驚き、早速不動産コンサルタントに連絡を取ろうとしますが、連絡がつきません。
結局Yさんはその投資物件を売却しました。それでも債務が残っており、ほかに抱えていた不動産投資物件の返済も滞ってしまった為に、やむなく破産することになりました。
この話は次回へ続きます。

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