空き家問題の具体的な解決方法を教えます⑤「相続人が空き家の解体に非協力的」など
昨今、日本全国の住宅総数が増加している一方で、各地で空き家の発生が著しく、さらに追い打ちをかけるように人口減少社会を背景に、空き家の数は年々増加しています。
空き家によって引き起こされる問題は、空き家件数の増加とともにトラブルが増えています。
そこで福岡県では空き家問題の解決の糸口になればと、トラブルの内容を取りまとめた事例集をつくりました。
その内容を少しずつご紹介しています。今回は5回目です。
空き家相談13「相続人が空き家の解体に非協力的」
■相談内容
亡くなった父の土地・建物があり、建物は現在危険な状態です。解体をしたいのですが、相続登記はしておらず放置しています。
相続人は自分と弟の2人ですが、弟は手続きに非協力的です。
あまり資金に余裕がないので、解体費用については土地を売却ししてその代金を充ようと考えています。
今後の手続きはどうしたらいいでしょうか?
■解決方法
まずは相続人の弟さんと遺産分割協議を行う必要があります。もし弟さんが同意しない場合は家庭裁判所での調停も可能です。
現在では危険な状態の建物が野放しなっていると、行政の権限で建物が強制的に取り壊されます。
その場合は相続人がその解体費用等を負担することになります。
どちらにしても不動産の相続登記が行われないと売却はできません。
相続が完了すれば売却は可能になります。
空き家相談14「建物の登記がない空き家」
■相談内容
登記ありと、登記なしの2軒長屋(空き家)があり、登記が無い方の建物の老朽化が進んでいます。
建物の登記がない場合は法的にどのような手順を踏めばいいでしょうか?
■解決方法
建物の登記がない場合は、一般的には土地の所有者と同じであることが多いので、土地の所有者から調査していくと良いと思います。
所有者が全く判明しない場合は、無主の不動産(=国有)(民法第239条第2項)となりますが、その判断は慎重にしなければいけません。
空き家相談15「自分の家が傾いている」
■相談内容
所有している自宅が傾いています。
もし改修する場合、工事費用はどれくらいかかるでしょうか。
また解体する場合は、解体費用・家具の処分代・更地にした場合の固定資産税・行政の補助金制度を教えて下さい。
■解決方法
傾きの改修工事は相当費用がかかるのでおすすめしません。
解体費用はおそらく坪3~5万円、家具の処分費用は20万円程度になります。
行政の補助金制度については、各市町村の担当窓口へお問い合わせください。
今回ご紹介の内容はあくまでも参考程度にとどめていただき、実際に行う際には、司法書士や弁護士・不動産業者などの専門家に相談して下さい。
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