査定金額を伝えるのが、いちばん緊張する【不動産売却の裏側】
この仕事をしていて、いちばん緊張する場面ってどこだと思いますか。
内見の案内でも、契約書の説明でもなくて、わたしにとっては 「査定金額をお伝えする瞬間」なんです。
売主さんにとって、家の値段は他人事じゃない
先日、一戸建ての売却査定に伺いました。 ご夫婦が20年以上住まれたお家で、 庭には奥様が丹精込めて育てた植木が並んでいて、 リビングの壁には子どもさんの身長を記録した跡もそのまま残っていました。
こういう家の査定をするとき、どうしても単純に「数字」だけでは 語れない気持ちになります。 でも、だからといって市場の相場を無視した金額をお伝えするわけにもいかない。 資料をまとめながら、どう伝えるか何度も考えました。
「そんなに安いんですか」のひと言
査定額をお伝えしたとき、ご主人がひと言「そんなに安いんですか」とおっしゃいました。 責めるような口調ではなくて、ただ静かに、という感じで。 そのトーンが、かえってこちらにはずしんときました。
近隣の成約事例や、建物の築年数による価値の変化など、 できるだけ丁寧に説明しました。 ご夫婦はずっと黙って聞いてくださっていて、 最後に奥様が「わかりました。正直に言ってもらえてよかったです」とおっしゃって。 その言葉にどれだけ救われたか。
査定って、数字を伝えるだけじゃなくて、 その人がその家に使ってきた時間を、どう受け止めてもらえるかだと思っています。 うまく言えないんですけど、そんな感じがします。
それでも、正直に伝えることが大事
高い査定額を出して依頼を取って、 あとから値下げ交渉——というやり方もないわけじゃないです。
でもそれって、売主さんのためになってないと思っていて。 だから最初から、市場の現実をきちんとお伝えするようにしています。
そのご夫婦とは、その後もやり取りを重ねて、 今は売り出し価格を一緒に検討しているところです。 査定のあの沈黙が、なんとなく頭に残っています。 いい結果につながるよう、しっかり動いていきたいと思っています。
関連した記事を読む
- 2026/07/25
- 2026/07/18
- 2026/07/11
- 2026/07/04


