空き家問題「不動産の所有者間でのトラブル」などの解決方法
昨今、人口減少社会を背景に空き家の数は年々増加しています。
空き家によって引き起こされる問題は様々あり、空き家の件数増加に伴ってトラブルも増加しています。
そこで福岡県が「空き家専門相談支援事業」を実施しました。その内容をとりまとめた事例集をご紹介します。
不動産の所有者の間のトラブル
・相談内容
土地・建物の所有者(兄弟2人の共有)間で、過去の相続に基づく紛争により話し合いがまとまりません。
また、所有者の1人は同じ話を何度も繰り返し説明するが、理解不可能であったり、過去に話したことを異なった内容で解釈するなど話が全く進みません。
これについてどうのように対応したらいいでしょうか?
・解決方法
所有者の2人には、過去の遺残相続争いとは別にして、この件について整理することが重要です。
所有者の1人は認知症の疑いもあるので「成年後見制度」を利用した方が良いと思います。
ただ、本人に判断能力低下の自覚がない場合は、この制度を利用するのは問題が多くなるので注意が必要です。
例えば、制度利用の申立にあたっては医師の診断書が必要になるため、本人が病院で受信する必要がありますし、また本人の拒否が強い場合は、申し立てても決定の審判がおりない(成年後見人等が選出されない)ことも考えられます。
長屋の強制退去はできるのか?
・相談内容
5軒長屋のうち1軒が危険な状態にある場合、どのような対応が可能ですか。
また長屋については「強制退去」で対応できるのでしょうか。
・解決方法
現状では長屋については当該長屋内のすべての住戸が空き家でないと「空き家対策特別措置法」の対象外ですので、条例で対処するようになります。
「即時強制」では義務者(所有者)の同意も不要とされており、所有者が判明しているものについては、条例でできる範囲の対処をします。
条例で対処できない場合は、建築基準法で対処する方法もありますが、行政法(消防法等)での対処は難しいです。
また実被害を受けている方が「妨害排除請求」をすることは可能です。なお被害を事前に防ぐためには「妨害予防請求」もあります。
空き家の樹木が越境してきている
・相談内容
空き家に関する苦情で樹木が成長しすぎて、越境する苦情が多いですが、改善されない場合はどのような対応が可能でしょうか?
・解決方法
民法が改正されて、隣の土地の植木の所有者に催告したにもかかわらず、相当の期間内に切ってくれない場合には、自分で切ることができるとしています。
ここでいう「相当の期間」とは、2週間程度と考えられています。
つまり、催告して2週間たっても切ってくれない場合には、自分で切ってよいということになります。
他にも隣地が所有者不明土地の場合や、急迫の事情がある時(例えば台風で枝が折れてすぐに切除しないと被害が出る危険がある)といった状況の場合は、自分で切ることができるとしています。
今回ご紹介した内容はあくまでも参考にとどめていただき、実際に行う際には、司法書士や弁護士などの専門家に相談して下さい。

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