不動産の業者が買取時の良い点と、気になる点を説明します
不動産を売却する際に最近多いのが不動産会社による直接の買取です。
例えば築年数が古いマンションの場合、通常は室内をキレイにリフォームしなければ買い手がつきません。
こんな時に不動産会社が、室内を現状のままで購入する買取という方法が行われます。
ちなみに不動産の買取と言う時は「不動産会社が売主から不動産を買取ること」を指します。
不動産の買取業者とは
一般的な不動産の売却は『仲介』という仕組みでの売却です。『仲介』は依頼を受けた不動産会社が買い手を探してきて売却します。
買取をする不動産会社の目的は、不動産を買い取ったあとに再販(転売)することです。買取の流れについては、ブックオフなどの本の買い取りをイメージするとわかりやすいです。
コミックや本の買取をしたお店は、綺麗に本をクリーニングして次の買い手に販売します。不動産の場合も同様で買取した不動産会社は、買取後にリフォームして次の買い手に販売します。
買取をしている不動産会社を仮に「買取会社」と呼ぶことにします。買取会社はリフォームをした上で販売するため、買取物件は築年数が20~30年経過したマンションや一戸建てが多いです。
どうしても築年数が経っている不動産物件は、設備の老朽化や内装状態の悪化がありますので、リフォームをしないと売却が難しいのです。
買取業者の不動産の買取価格は
気になる不動産の買取価格ですが、価格は買取会社が想定してるリフォーム工事の内容や費用、会社の利益を考えた上で決定します。
買取会社は数社ありますので、競合他社に負けないように迅速対応します。そのため買取価格の提示は早いです。
部屋を見た当日に価格を提示する会社もあるそうです。
最近はリノベーション工事で間取りや設備を全部取り替えて、全く違う部屋にするのが人気です。その影響でリノベーション工事をした中古マンションが多く販売されています。
不動産買取の良いところは
1.すぐに売却することができる
買取会社は法人ですので多くは現金で支払います。決済までの日数は、仲介で個人の買い手に売却するよりか圧倒的に早いです。
仲介では買い手が見つかった上で売約が完了するまで早くても3ヶ月はかかります。それに比べて買い取りの場合は、1週間から1ヶ月で決済することができます。
2.不動産の仲介手数料を払わなくいい
通常不動産を売却する場合、ほとんどの方が不動産仲介会社に買主を探してもらい、取引成立を手伝ってもらいます。
そして無事に取引が成立した場合、報酬として仲介手数料を支払うことになります。しかし、不動産買取の場合は不動産会社が買主になるので、仲介手数料が発生しません。
3.誰にも知られることなく売却できる
仲介で売る場合は、チラシや広告の掲載や売り出し中の看板などで人の目に触れることになります。その為近くにお住まいの方なら、いくらで売りに出しているかが知られてしまいます。
その点買取会社はそのまま購入するため、広告に掲載することなく売却することが可能です。
4.引き渡しのリスクが少ない
不動産の引き渡し後の売主のリスクとして一番大きいのが「契約不適合責任」(民法が改正されて、瑕疵担保責任から契約不適合責任に変更されました)と呼ばれるものです。
契約不適合責任とは、売主は買主に対して、「種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合する」ものを引き渡す契約上の義務を負っており、それができなかった場合の「債務不履行責任」と定義されたものです。
つまり、買主が「目的物のキズを知っていても」あるいは「知らないことに過失があった」としても、売主の「契約不適合責任は否定されない」ことになります。
買取会社は宅地建物取引の資格を持っているプロであるので、個人が売却する際の契約不適合責任を免除することが可能です。
そのため売却した後に建物の欠陥でトラブルになることはありません。つまり誰にも知られずに売約後のリスクを一切負いたくない場合に買取は適しています。
不動産の買取で気になることろは
不動産買取についてデメリットを挙げるならば、買取価格が仲介で売却できる価格と比較して大幅に低いことです。
買取価格は仲介で売約できる価格の6割~8割程度が一般的です。ここまで価格が低くなる理由は買取後の流れにあります。買取会社は買取を行った後に大幅なリフォームをした後に販売します。
例えばファミリータイプの70㎡、3LDKの分譲マンションのリフォーム工事費用は400~600万円程度です。
販売価格からリフォーム工事費用を除き、さらに買取会社の利益を考えますので、必然的に買取価格は安くなります。
ほとんどの買取会社が大幅なリフォームをする理由は、不動産を販売後に必ず不動産会社として契約不適合責任を負わなければならないからです。
そのために見えない部分にも問題がないようにリフォームを行います。
スケルトンと言って柱や梁だけを残して、他の設備をすべて交換するリノベーションをする場所もあります。
なので、不動産買取は少しでも高く売りたいと考えている方には適していません。

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