オーナー様が入居者の立ち退きをするための必要な条件
賃貸借契約において貸主(大家・オーナー様)が契約解除できる条件で、6ヶ月前の解約予告と、合わせて必要なのが「正当事由」の要件をみたしているのかが重要になります。
現状ではなかなかハードルが高いことがわかります。
しかし、オーナー様にとっても「いろいろな事情」があるのも事実です。
今回はまとめと対応について説明したいと思います。
賃貸借契約解除における正当事由の5つの要件とは?
正当事由の要件とは5つあります。
1,建物の貸主が建物の使用を必要とする事情
2,それまでの経緯(敷金や更新料などの授受の有無、家賃などの支払状況)
3,建物の利用状況(借主がどのような状況で利用しているのか)
4,建物の現況(建物自体の物理的現況、建物の老朽化など)
5,財産上の給付(立退き料の有無)
以上の事情を総合的にみて判断されます。
過去の裁判判例からみても
「契約更新で問題になっている借主以上に、その住宅が必要な貸主」
これを証明するのは非常にハードルが高いです。
・自分の家を持っていて、それ以外の住宅を賃貸物件として貸して家賃収入を得ている大家・オーナー様。
・自分の家はあるわけではなく賃貸住宅を借りている借主(入居者)。
いかがでしょうか?
裁判所がみてもよほどの理由がないと契約解除や更新不可にはならないのです。
賃貸借契約の解除の流れについて
正当事由の中に出てきました「立退き料」は、上記のオーナー様の為に存在しているものの1つになります。
正当事由の中身を見ていただくと分かる通り、オーナー様から契約解除はなかなか困難です。
そこで、借主(入居者)とオーナー様の間で
「合意解約」
になれば良いわけです。
借主からするとこのまま住み続ければ余計な費用はかからないし、法的に守られている部分もあります。
そこを「合意解除」しようとする際に「立退き料」をその対価として提供するわけです。
賃貸借契約の解除は合意解除ですすめましょう
オーナー様は納得いかないでしょうが、訴訟になった場合は手間も時間もかかり、何よりも立退き料が高額になる可能性もあります。
過去の判例でも、裁判所が計算すると数百万の立退き料が発生する判例もいくつかあります。
今回のように貸主(大家・オーナー様)が立退き料を払いたくないと考えていても何一つ成果は出ません。
それどころか借主がへそを曲げて訴訟にでもなれば、費用がかさみます。
貸主と借主の揉め事はどちらにとってもいいことはありません。
基本的な知識をもって、穏便に合意解除することがとても大切です。
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