分譲マンションを賃貸で出すのはおすすめしません
分譲マンションの所有者の方で「住まなくなったら賃貸で貸せばいい」と考えている方がいます。
しかし賃貸に出すことで、物件の維持や管理が適切に行われない場合、物件の資産価値が低下する可能性があります。
また賃借人による物件の損傷や劣化は、売却時の価値に悪影響を与えることがあります。
住宅ローンが残っている場合は貸せません
住宅ローンは、マイホームを購入するために組むローンです。
なので原則として、その購入者や家族が住むための住居や土地の購入費用にあてることのみと決められています。
住宅ローンで購入した分譲マンションを賃貸に出すなら、不動産投資用のローンに借り換えをしなくてはいけません。
※ただし、単身赴任や転勤、親の介護のためなどの理由で自宅に住めなくなる場合は、金融機関の承諾を得た上で、例外として住宅ローンを返済中の分譲マンションを賃貸に出すことが可能な場合もあります。
不動産投資用ローンは金利も高く、「住宅ローン控除」などの優遇措置は無くなります。
間違ってもこっそり賃貸に出すと、ローンの一括返済を金融機関から求められる等のペナルティがありますので絶対に止めておきましょう。
空室になるリスクがあります
分譲マンションを賃貸で貸そうと考えたとき、空室のリスクの問題があります。
長期間にわたり入居者がいない場合だけでなく、入居者が入れ替わるときにも家賃収入がない期間が生まれます。
単純に家賃✕12ヶ月で年間の収支を予測することはできないです。
賃貸中であっても、分譲マンションの管理費や修繕積立金を所有者が負担し続ける必要があります。
仮に空室が1年間続けば、住宅ローンの支払いは別にしても、分譲マンションの管理費や修繕積立金、固定資産税などの支払いで規模にもよりますが、年間約50万円程度が必要になります。
上記のような支払いに備えた積立をしておこうと考えると、家賃収入でローンの支払いができるという考えは実はけっこう厳しいのです。
その他にも管理組合の規約により、賃貸が禁止されている場合や制約がある場合があります。
賃借人が近隣住民とトラブルを起こす可能性があり、これが管理組合や他の住民との関係を悪化させることも考えられます。
分譲マンションが荒廃する場合も
自分が分譲マンションに住まなくなった時に賃貸で貸せなかったり、希望通りの家賃収入が得られなかったりすると、管理費や修繕積立金の滞納者が増える可能性があります。
分譲マンションに住まない区分所有者が増えることで管理組合の運営に支障がきたすことがあります。
また、管理組合の理事会の役員のなる人が減ることも不安材料になります。
そしてマンションの管理会社への支払いが滞るようになると、管理委託契約が解除されてしまいます。
しかも自主管理(管理組合が自分たちで建物の管理業務を行う)をしようと言い出す人も無く、異様に荒廃する分譲マンションも今増えています。
やむをえず家に住めなくなってしまった際などは、賃貸にすること仕方ありませんが、それ以外で分譲マンションを賃貸に出すことはおすすめしません。
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